レイサムビームとは

03年5月21日、福岡ドームでのヤクルト×巨人戦。
5回まで無失点という完璧なピッチングを見せていた高橋を悲劇が襲った。
6回、先頭の宮本を塁に出して、1死後にラミレスに四球で1死1・2塁となる。
ここで春先好調の鈴木健を迎えるがレフトフライを打たせる。
その日レフトに入っていたのはヤンキースから移籍のレイサム。
難なくフライを捕球するが彼は何を思ったかボールをレフトスタンドへ投げ入れてしまう。
それを見た2塁ランナー宮本は猛然とホームへ、しかしレイサムは全くわけがわからない様子。
数秒後、自分の失敗に気づきなんともいえない表情をする。
当然テイクツーベースということで宮本がホームインし、高橋の完封の夢は潰えた。

あれから時は流れ、2011年5月26日甲子園にて再び蘇ったレイサムビーム。奇しくも5月26日はレイサムの誕生日であった。

【26日・甲子園】◇2回戦・阪神2敗 ◇観衆37,053 試合終了
1 2 3 4 5 6 7 8 9
千葉ロッテマリーンズ 3 0 0 0 0 0 0 1 0 4
阪神タイガース 0 0 0 0 0 1 0 0 0 1
[勝]成瀬  7試合 4勝 2敗
[S]薮田  13試合 1敗 7S
[敗]岩田  6試合 1勝 5敗
[本]井口4号3ラン(岩田・1回)

ロッテ先発はエース成瀬。広い甲子園なら被弾癖は大丈夫?阪神先発岩田。左腕ってだけで打てそうにない。対左腕オーダーで里崎四番に一塁甲子園凱旋今岡。高濱は左腕でも起用。高濱かってますね、西村監督。

試合はあさーり動く。初回エラー&エラーから井口がいきなり3ラン。阪神暗黒。3-0

初回の得点でエース成瀬、ゆとりの投球。5回まで無失点。この辺は貫録。一方鴎もその後は立ち直った岩田に手も足も出ず。

6回成瀬が先頭の上本に四球。成瀬実に38イニングぶりの四球。日本記録はたしかとんでもない数字だったような気がするが、現代野球でこの数字はかなり凄い。しかしその四球から盗塁とエラーで3塁に進塁されると、マートンにポテン適時打。3-1

8回表、1死から今江が好走塁で2塁打。続く清田はライトフライ。これで今江がタッチアップで3塁に進塁すると問題のプレー。

マートン、まさかのレイサムビーム。

「野球規則 7-05 次の場合、各走者(打者走者含む)は、アウトにされるおそれなく進塁することが出来る。 (g)2個の塁が与えられる場合―送球が、 (2)競技場のフェンスを越えるか、くぐるか、抜けた場合。 この際はボールデッドとなる。 審判員は2個の進塁を許すにあたって、次の定めに従う。すなわち­、打球処理直後の内野手の最初のプレイに基づく悪送球であった場­合は、投球当時の各走者の位置、その他の場合には、悪送球が野手­の手を離れたときの各走者の位置を基準として定める。 「投球」が競技場外に出れば、安全進塁権は1つ。 「送球」が競技場外に出れば、安全進塁権は2つ。」

ま、要するに、内野手が悪送球でベンチに放り込んじゃったときみたいな。これで今江がホームイン。4-1。唖然とするマートン。物悲しい表情。暗黒や…。

成瀬は8回5安打2四球1失点で降板。後半は雨で微妙に制球がずれてたようだが、まずまずの投球。最後は薮田がしめた。

今岡、4番里崎は全く機能せず、4安打止まり。岩田もほとんどまともに攻略できず。ところが、エラーエラーからホームランと、レイサムビームの暗黒重奏。相手の勝手な自滅っぷりでごっつぁん勝利。ま、たまにはこういう試合があってもいいジャマイカ!

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